Q 家を夫名義にて3500万円で12年ほど前に購入しました。
その後私は今から5年前に離婚をしました。その別れた元夫が消費者金融からの借金に加え、住宅ローン延滞をし、自己破産寸前とのことです。
今は全く別のところに住んでいますが、連帯保証人になってしまっている以上、もし彼が自己破産をしても、残債は私が支払わなければならないのでしょうか?
A 厳しい答えになってしまいますが、あなたが連帯保証人であれば、元のご主人の借入の残額はあなたが支払っていかなければなりません。
連帯保証は、夫婦間での約束ではなく、債権者(銀行等、ローンの借入先)との契約ですから、借入先の同意がなければ連帯保証人をやめることはできないのです。
連帯保証人は借主と同じ責任を負っているので、離婚しても、相手が死亡した場合でも、返済の義務を免れることはできません。
また、現在その家に住んでいるかどうかも関係ありません。
そもそも、連帯保証人の責任は非常に重く、実質的には自分自身が借り入れをしているのと全く同じです。
債権者(貸し手)は、いつでも連帯保証人に返済を請求することができ、請求がきたら連帯保証人は断ることができません。
それだけでなく、「債務者(借り手)本人に先に請求してください」という権利さえありません。
そして、債務がなくならない限り(借入を全て返済し終えない限り)、原則として連帯保証人をやめることはできません。
大変厳しいようですが、連帯保証人というのはそれほど責任の重いものなのです。
とはいえ、どうしても連帯保証人を外れたい場合、方法が無いわけではありません。
その方法と、主に次の2通りです。
1、債権者(借入先)との話し合いで保証人を抜ける
2、元ご主人にローンを借り換えてもらう
1つ目は、債権者と話し合って連帯保証人をやめさせてもらう方法ですが、そもそも、もしもの時にはあなたが代わりにローンを払っていくという条件で貸してもらった住宅ローンですから、単にお願いしますと言うだけで簡単にやめさせてもらえるものではありません。
承諾してもらうためには
・代わりの連帯保証人を用意する
・別の不動産を担保として差し出す
など、いわば代替案を示す必要があるのです。
つまり「私は連帯保証人を外れますが代わりの人を連帯保証人にして(または、不動産を担保にして)、銀行が貸し付けたお金を取りはぐれることのないようにしますよ」と言って交渉するわけです。
元ご主人の両親・兄弟などで一定の収入のある方に連帯保証人に代わってもらえるか担保として差し出してもらえる不動産があるかどうか、元ご主人側に確認・交渉してみるとよいでしょう。
ただし、そうは言っても、あくまで債権者との話し合いの上での決定となりますので、代わりの連帯保証人や追加担保を用意しても100%連帯保証人を外れることができるとは限りません。
2つ目はローンの借り換えです。
代わりの連帯保証人が見つからない場合は、元ご主人にローンを組みなおしてもらうという方法です。
ローンの残額を新しいローンに借り換えて、その際にあなた以外の別の連帯保証人を立ててもらうか、連帯保証人なしのローンにしてもらうのです。
ただし、元ご主人の収入やその他の条件により、ローンの借り換えができない場合もあり、必ずしも確実な方法とは言えません。
まして、元ご主人に多額の借金があったり、滞納があったりする場合は、借り換えのできる可能性はほとんどありません。
いずれにせよ、返済が苦しくなったり、滞ってからでは、対応する手段がほとんどなくなります。
借入が膨らむ前に、連帯保証人の問題を解決しておくことが大事です。
■これから離婚される方は、後になって金銭トラブルにならないよう、連帯保
証人・共同名義の問題を今のうちに解決しておきましょう。
離婚時に共同名義の不動産をそのままにしておいたために、何年もたってからトラブルになる事例が増えています。
中でも、もっとも典型的なのは、『離婚した元夫が知らない間にローンを滞納していた』、というケースです。
何も知らずに子供たちと暮らしていたところへ、ある日突然競売開始決定通知が届き、びっくりして相談に来られる方もいらっしゃいます。
新しい暮らしがすっかり落ち着いて、中には再婚されたり、お子さんが生まれたりした方もおられます。
そんな中、元の配偶者が原因で金銭トラブルが起これば、新しいご家庭にまで問題が及ぶことになりかねません。